2025/11/20投稿者:スタッフ

介護ロボット・ICT導入で変わる介護現場の働き方

介護ロボット、ICT導入で変わる介護現場の働き方

近年、日本の介護現場では深刻な人手不足が続いています。

高齢化の進展により介護ニーズが拡大する一方で、担い手の確保が難しくなっている現状があります。

こうした中で注目を集めているのが、介護ロボットや**ICT(情報通信技術)**の導入です。

しかし、導入には多くの利点がある一方で、課題や懸念も存在します。

ここでは、そのメリットとデメリットも整理して考えてみました。

 

介護ロボットが担う役割の変化

介護ロボットと聞くと「人の代わりに介護をする機械」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、「介護者の負担を軽減する支援ツール」としての位置づけが中心です。

 たとえば、移乗支援ロボットは介護者の腰への負担を軽減し、見守りロボットは夜間の転倒や徘徊を検知して安全を守ります。これにより、介護職員は肉体的な負担から解放され、より人に寄り添ったケアに時間を使えるようになります。

 

 ICTがもたらす「見える化」と「効率化」

介護記録の電子化やタブレット端末の活用により、情報共有のスピードと正確性が飛躍的に向上しています。

 従来は紙の記録に時間を取られていた業務が、入力・共有・分析をワンタッチで行えるようになり、記録業務にかかる時間が大幅に削減されました。

 また、データ分析を通じて利用者一人ひとりの状態変化を早期に把握でき、事故防止やリスク管理にもつながっています。

 

「人の手」を活かすテクノロジー活用

介護ロボットやICTの導入は、「人の仕事を奪う」ものではなく、「人のケアを支える」ものです。

 テクノロジーをうまく活用することで、介護職員はより創造的で温かみのあるケアを提供できるようになります。

 介護の現場はこれから、「人」と「技術」が共に支え合う新しい形へと進化していくでしょう。

 

 

このように導入には多くの利点がある一方で、課題や懸念も存在します。

ここでは、そのメリットとデメリットを整理して考えてみましょう。

 

【メリット】

介護の質と働きやすさを両立

① 身体的負担の軽減

移乗支援ロボットやパワースーツの導入により、介護職員の腰痛など身体的負担が大幅に減少します。これにより離職防止や職場定着にもつながります。

 

② 業務の効率化・情報共有の迅速化

ICTによる記録の電子化やクラウド共有により、紙での手書き業務が削減。スタッフ間で利用者の状態を即座に共有でき、チームケアの質が向上します。

 

③ 安心・安全の向上

見守りセンサーやAIカメラにより、夜間の転倒や徘徊を早期に発見できます。事故防止に加え、利用者のご家族への安心感も高まります。

 

④ 人間らしいケアへの集中

テクノロジーが「作業」を担うことで、介護職員は「対話」や「心のケア」といった人にしかできない部分に注力できるようになります。

 

【デメリット】

導入・運用における課題

① コスト負担の大きさ

ロボットやICT機器は初期導入費用が高額で、特に中小規模の施設では負担が大きい場合があります。補助金制度の活用が進むものの、継続的な運用コストも課題です。

 

② 操作・運用の習熟が必要

職員全員が機器を使いこなすまでには時間がかかります。特にITに不慣れな世代にとっては心理的ハードルが高いこともあります。

 

③ 人間関係の希薄化の懸念

テクノロジーに依存しすぎると、職員同士や利用者とのコミュニケーションが減少し、現場の温かみが損なわれる可能性もあります。

 

④ データ管理・プライバシーの問題

ICT導入に伴い、利用者の個人情報や健康データの管理が重要になります。情報漏えい対策やセキュリティ体制の強化が不可欠です。

 

 

***これからの介護現場に求められる視点***

介護ロボットやICTは、あくまで「人の手を支えるツール」であり、「人の心」を置き換えるものではありません。

 現場で働く人々の声を反映しながら、テクノロジーと人間の調和を目指すことが今後の鍵となります。

未来の介護は、「負担を減らし、笑顔を増やす」テクノロジーによって支えられる時代へと進化していくでしょう。